第13回: 接線の不一致

キャッピングコマンドは注意事項が表示されることが多いコマンドです。そう思いませんか?


表示される注意事項には作成される面の精度を表示するものが多いのですが、その他に「曲率の不一致」または「接線の不一致」というものがあります。これはどういう意味でしょうか? 何がどう不一致なのでしょうか?

本日はこのメッセージについて。


●曲率の不一致

直方体の各エッジにフィレットをかけたような簡単な形状で試してみます。

縦のエッジに大きめの半径のフィレットをかけ、上面のエッジにそれより少し小さい半径のフィレットをかけた形状です。フィレット合流部の面は除去してあり、ここにキャッピングコマンドで面を埋めます。


各境界線に対する条件は、、、

左から右へ一連のフィレットが流れていますが、ここでは左のエッジに 位置+接線+曲率 で曲率連続になるように設定してみます。


上下のエッジには、この部位は「フィレット」なので、位置+接線 で接線連続になるように。


右のエッジも左同様、位置+接線+曲率 に設定します。


この設定では、精度的な注意事項は出ますが、「曲率の不一致」や「接線の不一致」は出ません。


ここで上のエッジの条件を「位置+接線+曲率」に変更してみます。キャッピング面の全周に曲率連続を設定する、という意図ですね。すると、角に「曲率の不一致」のメッセージが表示されるようになりました。


少し詳しく見てみましょう。

一連のフィレットの面間の接続(面1と2の接続)は通常接線連続ですが、今はここに曲率連続を設定しています。


一方、左から右へ流れる元の形状は、「フィレット」です。と言うことは面1と3の接続は接線連続で、曲率連続ではありません。

したがって、それに続く面2と面3の接続は接線連続であるのが適切です。にも関わらず、今は2と3の間に曲率連続を設定してしまいました。

これがメッセージ「曲率の不一致」が表示される原因です。



●接線の不一致

曲率と接線では、何故これが問題になるのか、少しわかりづらいかもしれません。そこで連続性を1つずつ落した例を見てみます。


次の例は直方体の縦のエッジにフィレットをかけ、さらに上面のエッジに沿って面取りをしたような形状です。やはり合流部の面を除去してあり、ここにキャッピングコマンドで面を埋めます。この場合、各境界線への条件は、、、


左のエッジには 位置+接線。右のエッジも同様です。


そして上下のエッジは?

ここは 位置 です。その通りです! 形状からして、この場所を接線連続にできるわけがない、と思いますよね。


そこであえてここに 位置+接線 を指定してみます。すると、、、


接線の不一致」のメッセージが表示されるようになりました!


はじめの例よりこちらの方がわかりやすいでしょうか。「接線の不一致」も「曲率の不一致」も、このような矛盾した条件が設定されている部位に表示されます。


ただ、条件が矛盾しているとは言え、ThinkDesign は極力条件に沿うように面を作ってくれます。そのため、このメッセージが出たからと言って、作成される面がまったくダメかというとそんなこともありません。(ここであげた「接線の不一致」の例はちょっとダメですが、、、)結果は条件によりけりなので、作成される面の状態を確認の上ご判断ください。


とはいえ、このようなメッセージが出ないように条件を設定するのがベストですね!



今回ここで取りあげた例、特に二つ目の「接線の不一致」の例は、周囲の形状に対する連続性が一目瞭然でしたが、実際のモデルでは、一見滑らかに接続しているように見えて、実は折れている、というケースも多々あろうかと思います。「接線の不一致」などのメッセージが出たら、面間の接続がどうなっているのか、よく調べてみることをお勧めします。



thinknews vol.653(2020年6月26日配信)

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