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第50回: キャッピングの「一般形状」

キャッピングで穴埋めを行うときに、今ひとつ精度が上がらない、ことがありませんか?

今回はそういう場面について。


キャッピングコマンドは、数あるグローバルモデリングコマンド群の内の1つです。


しかし他のグローバルモデリングコマンドと違う点があります。


他のグローバルモデリングコマンドは、現在ある要素を修正(変形)するコマンドであるのに対し、キャッピングコマンドは、「修正する要素」を必要とせず、新たに要素を作成するコマンドであるという点です。


とはいえ、キャッピングコマンドも、実は内部では「修正する要素」を利用しているのです。

コマンドの詳細オプションを展開すると、「一般形状」という項目があります。

これがシステムが内部的に用意する「修正する要素」= 変形の元要素 なのです。


この項目はデフォルトでは「自動」に設定されており、入力された境界線などの情報から、適切と思われる元要素を作成しています。この元要素は、プレビュー表示後、選択リストで「最初の曲面を表示」をチェックすると表示されます。

システムが作成する元要素はかなり絶妙で、多くの場合、デフォルトの「自動」で問題ありません。しかし、条件によっては今ひとつ精度が上がらないことがあるかもしれません。そのような場合、手動で元要素の作成方法を変更すると、状況が変わることがあります。


例えば次の例では、「自動」だと、単一曲率(=円柱面の一部)の曲面が用意されますが、


これを例えば、「二重曲率」(=球の一部)に変更すると、

より精度良く曲面を作成することができます。(このケースでは、単一曲率より目標の形状との差違が小さいですね。)


さらに、「一般形状」の選択肢には、「既存の面」があります。

これはつまり、元要素として作成済みの面を選択することができるということです。


この選択では、一度キャッピングコマンド等で求める形状に近い面をラフに作成しておき、その面を元面として使用することができるのです。この方法をうまく使うと、より良い精度で曲面を作成できる可能性があります。


条件が厳しいな、と思った際に思い出してみてください。


thinknews vol.770(2023年7月7日配信)

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