マイクロソフトは一般消費者向け/企業向けOSとしてこれまで多くの「Windows」をリリースしてきました。しかし 2015 年に、Windows10 を「最後の Windows」とし、今後は Windows7 → 8 → 8.1 → 10 のように、「“違う Windows” をリリースすることはない」と言明しました。 参考: https://www.bbc.com/news/technology-32658340 つまり今後は「Windows10」が、ずーっと続くということです。 するとこれは、Windows10 にしておきさえすれば大丈夫で、もうこれで、Windows7 → Windows10 の移行時のような苦労は無くなると言うことでしょうか??? 残念ながら、コトはそんなに単純ではありません。 確かにマイクロソフトは Windows10 をずっとサポートし続けますが、それには条件があります。「マイクロソフトが提供する更新を適用し続ける限りにおいては」、サポートされる、と言うことなのです。 マイクロソフトでは、およそ半年ごとに Windows10 の大規模更新をリリースしています。サポートの提供を受けるには、この更新を適用し続け、Windows10 を最新に保ち続ける必要があります。 各更新には、それぞれを区別できるように内部的なバージョンが設定されています。更新の完成した年と月を合わせて、例えば「バージョン 1909」(2019年9月)などと設定されています。(この情報はエクスプローラーの ファイル→ヘルプ→バージョン情報 から調べることができます。)
Windows10 ではこれまでに次のバージョンが提供されています。 1909、1903、1809、1803、1709、1703、1607、1511、1507 (1507 は「更新」ではなく、1番目のリリースです。) それではこの大規模更新を適用しなかったら? 各バージョンにはサポートの期限があり、更新されていない古い Windows10 はサポートされなくなるのです。つまり、せっかく Windows10 にしても、更新をサボっていると、既にサポートの終了した Windows7 や Vista などとまったく同じく、たいへん危険な状態になってしまうのです。 実際マイクロソフトは既に 1803 以前はサポートを終了しており、本日(2020年4月27日)現在、サポートされているのは 1909、1903、1809 の3つのみです。(お客様のお使いの Windows10 は大丈夫でしょうか?) さて ThinkDesign です。 現時点の最新版はバージョン 2020 で、リリースは 2020年1月8日です。 リリース時点でのマイクロソフトによってサポートされている Windows10 は、 1909、1903、1809 の3種類でした。 そのため、厳密なことを言うと、バージョン 2020 がサポートする Windows10 は、この3つだけ、ということになりますが、実際にはそこまで細かいことは問わず、例えば次の Windows10(2004 となる予定)くらいであれば、その上での動作もおそらくは問題無いでしょう。 しかしこれが、3年とか5年経ったら? 3年前も経てば、同じ Windows10 とはいえその中身は大きく異なっていると思われ、ほとんど別のOSと言ってもいいかもしれません。そんなに未来の(=未知の)OSの上で、「今」の ThinkDesign が正しく動作するのでしょうか??? 実際に試してみると、ひょっとしたら動作するかもしれません。しかしこればかりは未来の話なので、断定的なことは誰も何も言えません。 ThinkDesign は毎年、新しい Windows10 に対応した新しいバージョンをリリースしています。また、同じバージョンでもサービスパックをいくつかリリースしています。Windows10 と同様、ThinkDesign も、常に新しいバージョンに更新していくと、このような心配とは無縁になります。 「常に新しくなる Windows」に合わせて、「ThinkDesign も常に新しくする」よう、心がけていただければ、幸いです。
thinknews vol.646(2020年4月27日配信)
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