作業しているときに、要素の表示が粗いと思ったことはありませんか?
そのようなときは、要素の表示精度を調整することができます。
●曲線の表示精度
曲線(+ソリッドのエッジ)の表示精度は 要素のプロパティ の「曲線/曲面」の「トレランス」で指定します。
変更すると表示の様子が変化します。
極端に大きな値を指定(右)すると、ガタガタの表示になりますね。
この値、デフォルトでは 0.02 mm と無難な値が指定されています。多くの場合はデフォルト値で問題無さそうですが、しかし、特に小さな要素や、形状変化の多い要素を取り扱う場合は精度を上げた方(小さい値を指定する方)が良いかもしれません。
●曲面の表示精度
曲面の表示精度には、アイソパラメトリック曲線の表示精度 と、シェーディング精度 の2種類があります。
アイソパラメトリック曲線の表示精度は、曲線の精度と同じ場所の「点の数」で指定します。曲面の場合は、値を変更して「変更の適用」ボタンを押すと設定が適用されます。
曲線と違って、U方向とV方向の2方向があるので注意してください。
シェーディングの精度は、要素のプロパティの「テセレーション」で指定します。
ここでは、上の スライダー で値を指定するか、または、「カスタム」にチェックして、手動で値を入力します。通常は、スライダーで設定すると良いでしょう。
アイソパラメトリック曲線の精度もシェーディングも、曲線の表示精度と同様、デフォルトでは一般的な製品の大きさに対して、ごく無難な値が指定されています。必要であれば値を変更して使用します。
「テセレーション」とその設定方法については、第16回 STL 保存とメッシュ もご覧ください。
なお、曲線も曲面も、極端に精度を上げ過ぎると画面の表示速度に影響が出ることがあるので、ご注意ください。
ここまでの説明は、現在作業中のファイルの要素に対する設定です。
それでは、この設定をデフォルト値として使用するにはどうすれば良いでしょうか。
その場合、設定をテンプレートとして保存します。
具体的には、空モデルを開き、要素のプロパティ等で必要な設定を行った後、そのファイルをテンプレートとして保存します。
続いて、新規ファイル作成ダイアログのテンプレートの 変更 ボタンから、保存したテンプレートを選択します。
これで次回より、新しい設定で新規ファイルが開かれるようになります。
なお、ここで説明した「精度」はあくまで画面表示上の精度で、要素自体の精度とは関係ありません。したがって、どのような値を指定しても、要素自体が変化することはありません。参考まで。
thinknews vol.759(2023年3月10日配信)
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