第77回: 連続性チェック:曲線
- T3Japan
- 3 日前
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第74回 から3回にわたって、定性的な連続性の評価について解説してきました。
今回第77回は、定量的な評価について解説します。はじめは、曲線について。
要素間の連続性は、連続性チェック コマンドで定量的に確認することができます。

連続性チェック コマンドでは、色々な要素の組み合わせを選択することができますが、ここではタイプとして「曲線 - 曲線」を選択します。

対象の2曲線を選択すると、選択した曲線間の連続性の値を表示します。

いくつか値が表示されます。このコマンドでは、G4(曲率プロットの曲率連続)まで評価することができます。
位置連続(G0)、接線連続(G1)までは見たとおりですが、G2 連続の所は、接平面の角度 と 曲率差 の2項目があります。
第71回 の「連続性」の回で解説したとおり、選択した2曲線が G2 連続になるためには、曲率の値 と 接触平面(接平面)が一致している必要があるため、ここではこの2項目から判断します。
曲率は「曲率差%」となっています。この曲率差は、以下の方法で計算されます。
曲率差の計算:
2曲線の端点における曲率を κ1、κ2 とすると、曲率差(%)は、割合の計算なので、
|κ1 - κ2|/( κ1 または κ2 の大きい方 )
という計算方法がすぐに頭に浮かぶかもしれません。しかしこのコマンドでは、次の式で計算されています。
2 x |κ1 - κ2|/( κ1 + κ2 )
この計算方法は、曲率差を 両者の大きさの平均に対して相対的に評価する もので、1つ目の方法と比べると、κ1、κ2 を入れ替えても値が変わらない特徴があります。
曲率差の値は 0 ~ 2(0~200%) です。
曲率の差が無いときが 0 %、片方でも曲率が 0(=曲率半径無限大)になると 200% になります。曲率半径が無限大になる要素とは、直線です。
計算例:

κ1 = 1/100 = 0.01, κ2 = 1/500 = 0.002
曲率差 = 2 x |0.01 - 0.002|/(0.01 + 0.002) = 2 x 0.008/0.012 ≒ 1.333
thinknews vol.864(2025年10月3日配信)
