第71回: 連続性
- T3Japan
- 5月16日
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前回の「次数」に続いて、今回は「連続性」をお送りします。
「連続性」とは?
曲線間や、曲面間の接続の度合い、つまりどれほど滑らかに接続しているかは「連続性」で表現します。曲線の端点と端点、または曲面の境界線と境界線にて、連続性を評価します。
連続性は多くの場合、0~2の値で表現します。
以下、曲線の場合で説明します。
●連続性:0
連続性0とは、曲線の端点と端点が、その位置のみ一致している状態を指します。接続している場所で、尖っているように見えます。連続性0を「位置連続」、または、「G0連続」と言います。

●連続性:1
連続性1とは、曲線の端点と端点において接線の方向が一致している状態を指します。要素間がスムーズに接続しているように見えます。連続性1を「接線連続」、または、「G1連続」と言います。

曲線にフィレットを作成したとき、フィレットと元の要素との間は、連続性1で接続しています。
●連続性:2
連続性2とは、曲線の端点と端点において、その曲率が一致しており、かつ、接触平面が一致している状態を指します。要素間が非常に滑らかに接続しているように見えます。連続性2を「G2連続」と言います。

(連続性2の接続を保持した曲面は、自動車のボディ表面など、意匠的に非常に滑らかな接続が必要な場合に用いられます。)
注:
両曲線の端点における曲率が一致しているだけではG2連続ではありません。例えば円を2つに分割し、片方を端点で回転させた場合、両円弧の交点における曲率の値は一致していますが、その方向が一致していません。この状態はG2連続ではありません。

●連続性3以上
数学的には連続性3以上の接続も存在しますが、人間の目で認識可能な滑らかさは連続性2までで、それ以上は区別できないと言われています。
●曲面の場合
曲面の場合も同様の考え方です。それぞれの連続性の状態を表示すると以下のようになります。
連続性0:

連続性1:

連続性1の曲面をよく観察すると、フィレットの部分が若干飛び出して見えるかもしれません。
連続性2:

連続性2になると、その部分も滑らかになります。
なお、連続性は常に高い方が良いとは限りません。作業しているモデルに対して適切な連続性で適切な形状を作成することを心がけると良いでしょう。(実際には連続性1で良いケースが大半です。)
thinknews vol.844(2025年4月4日配信)
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