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第78回: 連続性チェック:曲面

  • T3Japan
  • 11 分前
  • 読了時間: 3分

前回は曲線間の連続性を定量的に調べる方法をご紹介しました。今回はそれに引き続き、曲面間の連続性を調べる方法をご紹介します。


前回同様、連続性チェック コマンドを使用します。タイプとして、「曲面 - 曲面」を選択します。

ree

対象の2曲面の連続性を調べたい境界線付近を選択すると、選択した曲面間の連続性の値を表示します。

ree

いくつか値が表示されます。このコマンドでは、G2(曲率連続)まで評価することができます。


このコマンドで注意すべきは、接線連続(G1)以降です。

G1(接線連続): 曲面の場合は、面の裏表が考慮されます。

評価項目に「法線の」と付いていることに注目してください。

曲面の連続性は、選択した境界線における、各曲面の法線の方向を比較することで評価されています。


次の例の曲面は、相互に接線連続ですが、面の方向(裏表)が反対になっています。また、青い線が青い面の法線、紫の線が紫の面の法線を表しています。

ree

この場合、境界線における各法線の方向を比較して、角度としては 180 度と表示されます。曲面のどちらかの裏表を反転すると、法線の方向が一致し、角度は 0 度と表示されるようになります。


最大角度、最小角度を見る場合、曲面の方向が同じだと、例えば、最大角度 2 度、最小角度 0 度などと表示されてわかりやすいのですが、同じ形状でも方向が反対だと、最大角度 180 度、最小角度 178 度等と表示されて、少し違和感があるかもしれません。(「最大」は 180 度なので、表記自体は間違っていません。)

ree

この場合、曲面の方向を揃えて測定するか、または、曲面の方向が反対だったと判断して、値を 180 から引いて、頭の中で大小を入れ替えて判断してください。


G2(曲率連続): 曲面の曲がっている方向が考慮されます。

曲率差の計算方法自体は曲線の場合と基本的には同じですが、曲率の方向(曲面の曲がっている方向)が考慮されます。つまり、測定する2つの曲面の曲がっている方向が反対の場合、片方は負の値として計算されます。


測定する位置における曲面の曲率を κ1、κ2 とすると、曲率差は、


2 x ||κ1| - |κ2||/|κ1 + κ2|


で計算されます。曲面の場合は、分子を絶対値の差の絶対値、分母も和の絶対値として計算することに注意してください。


例1:曲がっている方向が同じ場合

ree

κ1 = 1/100 = 0.01, κ2 = 1/500 = 0.002

曲率差 = 2 x ||0.01| - |0.002||/|0.01 + 0.002| = 2 x 0.008/0.012 ≒ 1.333


例2:曲がっている方向が違う場合

ree

κ1 = 1/100 = 0.01, κ2 = 1/500 = 0.002 ですが、曲面の曲がっている方向が反対なので、κ2 は - 0.002 とします。

曲率差 = 2 x ||0.01| - |-0.002||/|0.01 - 0.002| = 2 x 0.008/0.008 = 2.000


曲面の場合は、片方の曲面が平面(κ=0)か、それ以下(反対方向、κ<0)の場合、曲率差(最大曲率差)は 200% になります。

ree

thinknews vol.868(2025年10月31日配信)

 
 
 

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