ソリッドのいろいろの第3回です。
ThinkDesign で扱うソリッドには、次の4種類があります。
●マニフォールドソリッド
●オープンソリッド
●ノンマニフォールドソリッド
●マルチシェルオブジェクト
前回までで「オープンソリッド」と「ノンマニフォールド」ソリッドを取りあげました。今回は「マルチシェルオブジェクト」です
「シェル」とは、「複数の面が集まったもの」のことを指します。したがって、「マルチシェルオブジェクト」とは、そのようなシェルが複数で構成されるソリッドのことを指します。
具体的には、例えば、内部に空洞のあるソリッドや、
複数の部分に分かれたソリッド
等がマルチシェルソリッドです。
後者は図のようにソリッドに大きすぎる穴を開けてしまった場合の他、離れた場所にある複数のソリッドを一体にした場合などが該当します。
また、ソリッドが離れていなくても、例えば、下図のような2つの相互に干渉したソリッドを一体化する際に、
集合演算でなく「ソリッド化」コマンドを使用した時に、結果はマルチシェルオブジェクトになります。
集合演算の各コマンドでは、演算するソリッドの交線を計算し、不要な部分は削除しますが、「ソリッド化」コマンドでは、「隣接した面間のエッジの縫合」しか行いません。そのためこの例のような縫い合わせるエッジが無い場合は、各シェルが独立したマルチシェルになってしまいます。
ノンマニフォールドソリッド同様、マルチシェルオブジェクトも最終製品の形状としては適切ではありませんが、このような状態になること自体は許容されています。これも、ノンマニフォールドソリッド同様、「知ってて使う分には大丈夫」と言うことですね。
ソリッドの状態のチェックは、マニフォールドチェックコマンド(ツール→モデル→マニフォールドチェック)で行うことができます。マルチシェルのチェックも行うことができます。
このコマンドでは、次の順にソリッドの状態が判定されます。
オープンソリッドか?
ノンマニフォールドソリッドか?
マルチシェルオブジェクトか?
オープンソリッドかつマルチシェル等、複数に該当するケースも判定されます。
そして、どれも該当しなかった場合に「マニフォールドソリッド」であると判定されます。
thinknews vol.786(2023年12月1日配信)
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