外部で作成されたデータを取り込んだ場合などは、しばしば取り込んだデータに問題があることがあります。そのような時、問題点を調べることができるコマンドとして、「モデル品質」コマンドがあります。
このコマンドでは、「チェックするパラメーター」から検出する項目を選択することができ、様々な問題点を検出することができます。しかし、このコマンド、設定できる項目がかなり多く、
さらに、ものによっては、検出されたとしても、状況にあまり影響の無い項目も含まれています。
そこで今回は、この中から特に有用な項目をいくつか選んでご紹介します。
●非マニフォールド
「チェックするパラメーター」ダイアログでは、いくつか項目が分類されていますが、1つ目の分類項目の「非マニフォールド」以下からは、次の2つです。
ノンマニフォールドソリッド(エッジ)
一連の開いたエッジ
「ノンマニフォールドソリッド(エッジ)」では、ノンマニフォールドソリッドのノンマニフォールドエッジを検出することができます。
「一連の開いたエッジ」では、オープンソリッドの開いたエッジを検出することができます。
変換が不十分だった部位を特定するのに役立つでしょう。
●トポロジー
矛盾した法線
マルチシェルソリッド
通常ソリッドでは各面の法線がソリッドの外側を向くよう設定されますが、まれに、一部だけ反転したソリッドが変換されてしまうことがあります。「矛盾した法線」では、そのような法線が反転してしまった面を検出することができます。
「マルチシェルソリッド」では、マルチシェルソリッドの各シェルを特定して確認することができます。
●曲面
微小面積曲面
制御点の多い NURBS 曲面
この項目では、両者、検出のためのしきい値を設定することができます。特に微小面積の曲面はソリッド化の際に邪魔になることがあります。
●曲線
微小曲線
制御点の多い NURBS 曲線
曲線は曲面の項目と同様の項目です。曲面の場合、制御点の多い NURBS 曲面は、しきい値のデフォルト値が 10,000、つまり、100x100 であるのに対して、曲線の場合は 100 がデフォルト値となっています。
●ジオメトリ
大きな要素トレランス
この項目は、指定した値以上のトレランス値を持つ値を検出するものです。しかしこの項目だけは、設定方法が他の項目と少し違います。しきい値として入力する値が具体的な値ではなく、「モデル精度の増倍率」となっています。
この「モデル精度」とは、ドキュメントのプロパティ → 一般 → アドバンス ページの「トレランス」の値のことで、
ここで指定する「増倍率」を掛けた値がしきい値の実際の値になります。
つまり、「トレランス」のデフォルト値は 0.001 mm で、「モデル精度の増倍率」のデフォルト値は 3 のため、デフォルトでは 0.003 mm がしきい値として設定されている、ということになります。
検出された項目は、多くの場合、要素IDと共に表示されるので、あとで特定することもできますね!
thinknews vol.788(2024年1月12日配信)
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