第82回: ガウス曲率と平均曲率
- 4月10日
- 読了時間: 3分
更新日:4月16日
今回は曲率コマンドの残り2つ、ガウス曲率 と 平均曲率 をご紹介します。

やはりどちらも形状の凸凹を評価する機能です。
(この両者の理解には、曲面の 主曲率 が重要です。主曲率に関しては、第79回:ローカル情報コマンド をご覧ください。)
●ガウス曲率
ガウス曲率とは、最大主曲率 κ1 と最小主曲率 κ2 の積 です。
曲面上の各点がどのような形状なのかを表しています。
主曲率は、曲面の法線方向(表側)を基準にして正負があるので、その積で得られるガウス曲率にも、やはり正負があります。正負に応じて、次のように判断することができます。
正の場合:
曲面は κ1、κ2 共に同じ方向に曲がっています。形状としては凸または凹です。(下図青)
負の場合:
κ1、κ2 の曲がっている方向が異なっています。いわゆる馬の鞍型形状です。(下図赤)
ゼロの場合:
κ1、κ2 の少なくとも片方が0、つまり、曲がっていません。円柱面、円錐面、平面等です。(下図緑)

(この例では値0の場所が緑で表示されていますが、値0が常に緑というわけではありません。)
曲面の各部における形状は、曲率の符号でも調べることができますが、曲率の符号は0か1かのデジタル的な表示です。
ガウス曲率では、曲がりが大きい部分から平らになる部分まで色が滑らかに変化し、凸凹をアナログ的に判断することができます。
一方、曲率の符号は曲面の法線方向を基準にどちら側に凸かを判断することができます。
ガウス曲率は凸形状であることはわかりますが、それがどちら向きに凸かは判断することができません。
● 平均曲率
平均曲率は、名前の通り、最大主曲率 κ1 と最小主曲率 κ2 の平均 です。
曲面上の各点の平均的な曲がり具合を示します。
主曲率に正負があるため、平均曲率もガウス曲率同様に正負があります。正負に応じて、次のように判断することができます。
正の場合:
平均的に凹形状。(凹形状が支配的。下図青系の色)
負の場合:
平均的に凸形状。(凸形状が支配的。下図赤系の色)
ゼロの場合:
平面、または、凸と凹が打ち消し合う形状。(下図緑)

κ1 と κ2 の符号が異なっていた場合(馬の鞍型形状の場合)、平均曲率の値は両者のうち絶対値の大きい方に寄ります。そのため、値が正であれば凹、負であれば凸形状が支配的であると判断することができます。
下図は凸凹が混在する馬の鞍型曲面の例です。
平均曲率で見ると形状全面で値は負になっています。つまり、馬の鞍型曲面は注目する方向によって形状は 凸、または、凹になりますが、この例の形状では曲面の全面にわたって凸形状が支配的であると言えます。

実際に計算してみると、R20 は曲率 -0.05、R100 は 0.01 で、曲率は絶対値では R20(0.05)が大きく、したがって、この形状の中央付近は R20 凸が支配的とわかります。(R20 凸 と R100 凹 では R20 凸 の影響の方が大きい。)
左右端は約 R40 と R100 のため、曲率は -0.025 と 0.01 となり、やはり R40 凸 が支配的と言えます。
thinknews vol.882(2026年3月6日配信)




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