第73回: 高品質近似
- T3Japan
- 12 分前
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いくつかのコマンドで、「高品質近似」オプションを利用することができます。

これは、どのようなオプションでしょうか?
例えば上の例で示した らせん曲線 コマンド。
「高品質近似」オプションはデフォルト設定では選択されていませんが、その場合、コマンドは次数3、連続性2の曲線を作成します。
一方、「高品質近似」オプションを選択すると、次数9、連続性4の曲線を作成します。

両者の曲率プロットを比較してみます。

左のデフォルト設定の曲線はプロットが折れ線ですが、右の「高品質近似」オプションを使用した曲線は、プロットが滑らかですね。
らせん曲線コマンドは、単独で曲線を作成するコマンドでしたが、曲線の作成に曲面が関与するコマンドの場合は少し結果が異なります。結果は、参照している曲面に依存します。
例えば、断面線 コマンド。

このコマンドでもらせん曲線コマンドと同様に、「高品質近似」オプションを選択しないデフォルト設定では、次数3連続性2で曲線が作成されます(*例外あり)。
一方、このオプションを選択した場合は、次数9、連続性は「最高で」4の曲線が作成されます。連続性は参照する曲面の内部の連続性に依存しています。
例(高品質近似オプション使用時):
曲面が連続性5の場合 → 次数9、連続性4の曲線が作成される
曲面が連続性4の場合 → 次数9、連続性4の曲線が作成される
曲面が連続性3の場合 → 次数9、連続性3の曲線が作成される
曲面が連続性2の場合 → 次数9、連続性2の曲線が作成される
曲面が連続性1の場合 → 次数9、連続性1の曲線が作成される
曲面が連続性0の場合 → 次数9、連続性0の曲線が作成される

つまり、連続性は参照する曲面の連続性に一致し、上限が4です。
*例外:
デフォルト設定時、参照する曲面の連続性が0の場合は次数3、連続性1の曲線が作成されます。
らせん曲線も、断面線も、通常はデフォルトの連続性2で十分に滑らかと言えますが、より結果に滑らかさ(高品質)を求める場合は、このオプションを使用するのが良いでしょう。
なお、「高品質近似」オプションは、次のコマンドに用意されています。
らせん曲線、2D曲線から作成する3D曲線、境界線
断面線、交線、投影線、アイソパラメトリック曲線、光線の輪郭曲線
境界要素によるトリム
thinknews vol.851(2025年6月6日配信)
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